こんにちは。はじめまして。26回卒の石井眞澄です。(旧姓 宜野座)
牧之原市静波で、夫と共に、開業医をしています。夫は内科で、私は、皮膚科です。
卒後30年余りたってしまいました。懐かしい日々です。北高在学中は、アーチェリー部に所属していました。当時は、アーチェリー部が少ないため、先輩によれば、うまくいけば全国優勝できるかもしれない、という言葉に引き付けられ入部。アーチェリーは上手くないのに、筋トレが得意なためか、女子の部長になってしまったのですが、校内予選で上手く得点できず、大会では選手として出場できなかったものの、全国大会で優勝してしまったのでした。ほろ苦い、でもとっても楽しい部活でした。
そんな為か、案の定、大学は落ち、浪人することとなりました。河合塾に何とか入ったものの、入寮テストで、受験番号を書き間違え、落ちてしまいましたが、塾の校舎の近くに下宿することができ、何となくのんびりと、勉強だけすればよいという環境に順応しそれも良かったような気がします。

何とか大学も合格することができ、クラブは、硬式テニス部に入りました。勉強もそっちのけで、毎日テニスコートを駆け回り、病理の先生には、“君は、教室よりテニスコートで見かけることのほうが多いネエー。”と言われてしまいました。その為、近くのおば様方からは、“酋長の娘みたいネ!”と言われるほど日焼けしていました。私のスキンタイプは、日に焼けても赤くなるだけで、色は黒くならず又の元の肌に戻るタイプなのですが、さすがに毎日外でテニスをしていたので、“酋長の娘”になってしまったわけです。
その後、皮膚科に入局し、紫外線が皮膚の老化に重要な役割をし、シミ、シワを作るのだというメカニズム学び、しまったと思った時は、もう後のまつりでした。30歳の時にはあまり感じなかったのですが、40歳の時には、下瞼の皮膚の細かいしわとたるみに、自分の顔がずいぶん変わったのにがっかりしてしまいました。まあ人間、歳には勝てないものです。それなりに受け入れるしかありません。それ以来、患者さんには、お化粧の下地には、必ず日焼け止めを塗ること。雨の日も、必ず塗ること。これから先、一生塗ること。SPF(紫外線を防ぐ指数)は、必ず30以上を使うこと。などを、必ず話しています。又、顔の正面は気をつけて塗りますが、耳の前の頬の部分、あごの上などは、塗り残しがあり、日に焼けやすい部分です。特に、日中の日の高い時は顔の正面に日が当たりますし、帽子や日傘などで防御できますが、朝や夕方は、お日様が横から当たるため、帽子などによる防御が効かず、頬の横の部分が日に焼けやすく、しみになりやすいのです。また、車の運転の時も、日中は、上のほうから日が当たるので、ほとんど日に焼けませんが、夕方は右側のほうから日が当たり横からの光が窓から入り、頬の横の部分が日に焼けてしまいます。私もそこの部分に、シミができてきてしまいました。また、子供さんの外遊びや、部活の応援などで、一日中外にいる時は、こまめに日焼け止めを付け足してください。午前10時、お昼、午後3時、夕方というように、こまめに塗るのがコツです。日焼け止めの効果は、正直なもので、しっかりあります。塗らないと、かなり日に焼けていることがわかります。現在、シミに対するレーザー治療も進み、まあそれなりに取れやすくなってきていますが、しみのできる前のようなきれいな皮膚には戻りません。やはり日焼け止めによる予防が一番です。タバコもいけません。紫外線と同じように、シミが増えますし、顔全体の色が、黒くなります。10年は老化すると言われています。ビタミンCは、肌の色を白くしますので、ビタミンCの多い果物などを多く取るのは良いと思います。

紫外線による(老化による)しみとは別に、女性特有の肝斑と言われるシミがあります。それは、頬骨を中心に比較的境界明瞭なシミで、妊娠、出産、生理の時などに、濃くなります。更年期を過ぎると薄くなりますが、一番きれいでいたい(いつもきれいでいたいのですが)30〜40歳代に出現するところが、いやなシミです。ビタミンCとトラネキサムサンの内服が効きますが、ちゃんと日焼け止めを塗り、少なくとも3ヶ月は内服しないと、効果は出てきません。3ヶ月ぐらいすると、少し皮膚の色が白っぽくなったような気がしてきますし、しみの境界も少しはっきりしなくなったりします。3ヶ月しっかり飲んで余り効果がないように思えるのでしたら、内服は、やめたほうが良いと思います。やはり薬なので、むやみに長期間内服するのは、お勧めできません。かなりたくさんの方に処方していますが、副作用は、ごくまれで、ビタミンCによる尿管結石が1人と、トランサミンによる軽い肝障害が1人でした。
前置きが長くなってしまいましたが、そんな訳で、日焼け止めでいつまでも若くありたいものです。