人は、とかく相手を中心に考えてしまう。相手が自分をどうおもっているかを先に考えてしまう。
人から、注目されたい、好かれたいからそのために、行動する。それは、自分を粗末にしていることにほかならない。自分の気持ちを大事にしていないのではないか。
子どものころは、母親に好かれたい。友達に嫌われたくない。みんなから好かれる自分でいたい。
それが、成長して、もう、大人になって、『そう、誰からも好かれなくてもいいんだ。だれからもなんて、それは、ありえないよね。みんなそれぞれ違うのだから・・』って,変わっていければ、いいのだけれど、精神的に成長できていない人、大人になっていない人は、いつまでもずっと自分のことを、ひとの評価で左右してしまう。
人間関係がうまくいくということは、周りの人との距離のとり方がうまくいくということです。
ひとの自分への評価で自分の行動を左右されるということは、その距離のとりかたがわからないということです。
では、どうすれば、わかるのかというと、
1.自分の心に耳を傾ける。
まず、本当に今これを自分が「〜したいのか」それとも、「〜すべきだ」「〜しなくてはならない」と、じぶんに思わせているだけなのか、どちらなのかを自分の心に聞いてみる。
すると、案外、そうすることが、正しいのだからそうしなくてはならない、そう思わなくてはいけない、というような思いが、無意識のうちに自分の心なかにはいってしまっている。
たとえば、老舗も3代目になると、すごく苦しい。
学校の先生をしている人が、職場をはなれて、わが子に接する時、やはり、無意識に心のなかにあるものが、働いてしまっている。そんなつもりはないのに、こんなにしからないで、おだやかに、わが子に接しているのに、なぜ!!
・〜すべきだ。⇒、〜するにこしたことはない。
・〜しなくてはならない。⇒ そうすることにこしたことはないが、他の方法でもいい。
と、自分に中で文章にする。
2.あるがままの自分を認める。
「〜やりたいなあ」と思ったり、「このあいだはそう思っていたけど、やっぱりやりたくなくなっちゃったあ」って思うことを、両方とも自分だと認める。
たとえば、介護の末、親が亡くなった。 寂しい、悲しい、でも、こころのどこかで、ほっとする、開放されたとおもう。こう、おもっちゃあだめ!!ときめつけない。
人間っていろいろな感情の時があるんだなあと思えばいい。ぜんぶ、どっちもわたしなんだ。
3.自分だっていろいろあって自分なのだから、ひとにも色々あって当たり前とおもう。
正反対の考えもあっていいんだぁと思うこと。
たとえ、家族であっても、認める。
<第二部>
1.苦手な人と、嫌いな人の違い
苦手な人とは、「根っから美学がちがう」人のことです。
嫌いな人とは、 自分の中にも同じようなところがあって、それは 自分でも嫌いなところなので、できることなら、なくしたいと思っているものをもっている人のことです。
この嫌いな部分を認めたくない自分がいて消してしまいたいと思っているのでそれを持っている人をみるといや〜な感じを受ける。
人間関係において、親友も必要であるが、反対に嫌いな人も必要である。なぜなら、性格の違う人がいてはじめて比較できる。自分がはっきり見える。
嫌いな人がひとりいるとする。どうして嫌いなのか、理解しようとしてみる。
どこが嫌いかみえてくると(たとえば、けちなところとか自分中心なところとか…)それが、自分の中の嫌いなところでもあることに気づかされる。
2.子どもの友人に対して
思春期のこどもは、自分を創っていく大切な時期で
親がその心の中に侵入しようとすると嫌われる。
親のできることは、どんなことがあっても親はあなたの味方だよという最後の安心感をこどもに感じさせてあげること。
安心する場所があって、はじめて、成長することができる。
人間は、孤立できない。
たとえ、親から見て子どもの友達にふさわしくない友人がいても、今は、必要なのだから、無理に引き離してはいけない。
一緒にいると、安心という年齢なのだから。そういう子を親が悪くいうと、自分のことを悪く言われたような気がする。寂しいから今はなかなか切れない。成長すれば、なにもしなくても離れていく。
親のできることは、子どもを思いどおりにさせようとするのではなくて、子どもの心に耳をかたむける。
わたしは、子どもを大切に思っていると思っていても実際、あまり聞いていない場合が多い。
3.親友と、別に親友でない人との違い
別に親友でない人・・ |
うまがあう人
秘密を打ち明ける人
一緒にいる時間が長い人
しょっちゅう、会いたくなる人
困ったことを話せる人 |
親友は・・・・・・・ |
一緒にいると気分が楽でいられる。落ち着いた感覚がもてる。身体がリラックスできる。
喜びを話せる。分かち合える。(自分も嬉しい、相手もうれしい。)
はなれていてもいい。 会っていなくてもいい。 励ましあえる。(相手をがまんさせて自分だけいいのではない。)
元気の源。
応援してもらえる。 |
4.大人の精神的成長とは
(1) 物事を客観的にみることができる。現実をちゃんとみれる。
(2) 自分を肯定する。《みんなとちがっていてもそれでいいとする。》
(3) 他人のことを自分のこととして感じることができる。《共感能力》
(4) パニック《衝動》をコントロールできる能力をもつ。
(5) かげんがとれる。ここらへんがてきとうだなあと思うことができる。
おこりすぎない。やりすぎない。完璧でなくてもいいとおもうことができる。
5.最後に・・・・・
「あ〜〜、しあわせだったなあ。」とたくさん思い出せる人生がいい。
人生、うれしいことはとかく忘れて、苦しいことばかり 気持ちに残ってしまいがち。
うれしい時には、うれしいんだ。と自分に認めさせていかないと。ささいなことでも、1日、一回はうれしい!!と思えることが大切。
うれしい感覚を五感で感じさせる。
・ 目に植え付ける。《目をよろこばせる。》
・ 耳にきかせる。
・ 感触で幸せを味わう。(触った感じで)
・ 味覚。
・ いい香り。おいしそうなにおい。
6.おまけに リラックスの方法の一つを・・・
吐く息だけに意識を集中させる。目を閉じて、ゆっくり呼吸。こんな自分もありかな。とじぶんに問いかける。自分もまんざら悪くない。これでいいんだと、自分に言ってみる。
以上のように講演内容をまとめさせていただきました。
越川先生には、2時間、中身の濃いお話をしていただきました。
難しいところは、分かりやすいことばで、何回も、具体的にお話くださいました。どうもありがとうございました。
これを読んでいただければ、講演会に出席いただいた方にも、いまいちど、
こころに思い出すことができ、一つでも、明日の自分に役立ち、私の人生もけっこう、楽しい思い出がいっぱいだったなあと思い出していただけると思います。
そして、出席できなかった会員の皆様には、ひとつでも、参考にしていただけたらと思います。
また、もうすこし、深く学びたい方、個人的に相談されたい方は 先生の心理講座、または個人カウンセリングを随時、受け付けております。また、不登校の,小、中学生のサポートルームもございます。
ちょっと、詳しくお知りになりたい方はここのホームページのメールアドレスに、お問い合わせください。
25回 高木