Baum 和世(25回)

 研究社新英和中辞典によると、sympathyは同情、思いやり、あわれみとあり、empathyは共感、感情移入とある。Oxford現代英英辞典では、sympathy は、the feeling of being sorry for somebody (誰かのことをかわいそうだと思う気持ち), showing that you understand and care about somebody”s problems(誰かの問題に理解や心配りを示すこと)、entering into or sharing the feeling or interests of another(他の人の気持ちや興味に入り込んだり、或はそれらを分かち合うこと)とあり、empathyはthe ability to understand another person’s feelings, experience, etc.(人の気持ちや経験を理解できる力)とある。なんだかどちらも似ていて違いが今一つわからない。 しかし、臨床現場のプロたちは、sympathyとempathyが同義語でないことを強調する。悲しい映画や話を聞いて、共に泣きたくなるのはsympathyだが、 コロンビア大学精神科医の Alberta Szalitaの言葉を借りると、 empathyは 相手の気持ちを理解し、しかし相手と自分を同一視することなく、彼らのニーズに応えようとすることだと言う。感情が動くだけならsympathy.彼らの苦しみや悲しみが理解でき、何かをしようと行動が伴う場合がempathyとなるようだ。

 戦争の犠牲者をみて怒りや悲しみを感じるのはsympathy.犠牲者に援助の手を差し出すのがempathy.大地震の後の瓦礫の下で泣く子供をみてかわいそうにと思うのはsympathy.寄付や援助物資を送ったらempathy. ハイチ大地震の直後から、アメリカでは、連日、被災地の様子が映像に映されながら、靴や衣類、食料、支援金の寄付が呼びかけられ、医師団を乗せた船はハイチに到着した。親を亡くした子供たちのためには、新しい家族が名乗りをあげている。お金がないとempatheticにはなれないのだろうか?アメリカ赤十字は携帯電話による寄付を$10(約900円)から呼びかけている。少なくとも、お金はempathyの必要条件ではないようだ。