野平 美紗子(11回)
「私はデジカメを手に近所を散歩しながら俳句を作っています。」

※以前の作品はこちらから
 

 

 
* 今回は秋の七草を集めました *
 

闇よりの桔梗くっきり浮かびけり

桔梗(ききょう)

七月頃我が家に咲いた桔梗です。
夜に写したら闇の中より浮かび上がって見えました。
青紫の花の色や花びらの形からも折り目正しく潔い感じのする花ですね。

09/9/20

   

撫子の花びら千切れ千切れなり

撫子(なでしこ)

この花も7月頃畑に咲いた花です。
河原に咲くので「河原撫子」とも「やまとなでしこ」ともいうようです。花びらの先が細かく割れているのが何とも云えず繊細かつ優雅な感じです。
たまたま紅色の濃い花でしたが、薄い紅色が一般的なようです。   

09/9/20

   

母病みて早やキャンパスにこぼれ萩

萩(はぎ)

もう十何年も前のことです。不治の病で入院した母の看病に明け暮れていた時、ふと目にしたこぼれ萩。そのとき、つぶやくように口から出てきた一言です。
今でもこぼれ萩を見るとその時の辛かったことを思い出します。        

09/9/20

   

車椅子のスロープに添ひ女郎花

女郎花(おみなえし)

建物に車椅子用のスロープが付いた家があり、その庭に咲いていた女郎花です。
他にも色々な花を咲かせていました。
きっと花好きのお家なのでしょう。

09/9/20

   

土手覆う草の中から葛の花

葛の花(くずのはな)

葛は蔓がどんどん伸びる草で、今、葛の葉が土手一面を覆っています。
毎日の土手散歩で、ついに葛の花を見つけました。蔓の先にこんな花が咲いていました。
本来、秋の七草は秋の野山に自生しているのが普通なのですが、最近は園芸種も多くなりました。
そんな中、逞しく自生しているのがこの葛のです。             

09/9/20

   

どこまでも歩きたき道藤袴

藤袴(ふじばかま)

爽やかな秋晴れの中、藤袴の咲くこの道はどこまでも歩いていきたいような道でした。
花の後ろに彼岸花が彩りを添えています。

09/9/20

   

花薄揃ってなびく向かう岸

尾花(おばな)

薄(すすき)の穂が開いて花薄となりました。
これが尾花で、秋の七草の一つです。
こちらから見た薄は風にゆれ、光りながらなびいています。
そんな薄の姿をみながら歩くのは実にいいものです。

09/9/20