野平 美紗子(11回)
「私はデジカメを手に近所を散歩しながら俳句を作っています。」

※以前の作品はこちらから
 

 

 
   

花辛夷夕陽に溶ける何もかも

辛夷(こぶし)

ちょっと心がふさいだ日の夕方、気晴らしに散歩していましたら、咲き始めた辛夷が夕陽の中で照り映えて薄いピンクに色付いていました。見ていたら、いやなことなど何もかも溶かし込んでくれるような風情でした。

10/3/16

   

小桜の小道と名づけ通りけり

小桜の道

近所のよく散歩する小道の一つです。
通りかかったら、小さな桜が今を盛りと咲き誇っていました。
私だけに通用する名の秘密の小道です。

10/3/24

   

老い長閑(のどか)花の名出たり隠れたり

ストック

急に色々な花が咲きはじめ、名前が覚えられません。特にこの花の名は、すっと言えることもあるのですが、頭の中に隠れてしまったようでなかなか出てこない事もあります。
これも歳のせいかな?などと思うこの頃です。

10/3/26

   

母在(いま)す里の大きな紫木蓮

紫木蓮(しもくれん)

あと二三年で百歳になる主人の母に会いに行きました。私にとって大変大きな存在です。
その時庭に咲いていた紫木蓮の大きな花びらが印象的でした。                 

10/3/26


   

遠目にも動くものあり沼の春

別所沼

さいたま市民の憩いの場所、別所沼公園です。
メタセコイアは芽吹き、沼では釣りをする人、沼一周のジョギングをする人、広場ではボール遊びの子供達、車椅子で介護を受けながら散歩する人たちなど、春らしい活気を感じました。 

10/3/30


   

初桜 鵯の来て宙返り

桜に鵯(ひよどり)

今年はなかなか桜が満開になりません。
桜祭りが予定されている場所に行ったのですが、寒いし、桜も二部咲きといった状態で見物客はなく、鵯が来て咲いたばかりの花を啄ばんだり宙返りして密を吸ったりしていました。

10/3/30

   

桜花いま咲き揃ひ散るもなし

千鳥が淵の桜

ようやく満開の桜に出会いました。
咲き揃ったばかりで、ほとんど散っていません。まさに花曇という感じで、千鳥が淵は大勢の見物客でしたが、不思議と静寂な写真が撮れました。左上の建物は武道館です。
大学の入学式を行っていました。

10/4/3