野平 美紗子(11回)
「私はデジカメを手に近所を散歩しながら俳句を作っています。」

※以前の作品はこちらから
 

 

 
   

ペチュニアや色目に染むる夏花壇

ペチュニア

6月13日、しらはぎ会総会に出席しました。会場が、元城小学校(母校)の近くでしたので、帰りに昔の面影を探しながら散策しました。
市役所の前には素晴らしい花壇があり、色とりどりの花が咲き乱れていましたが、その中の一つです。
この辺りは私の少女時代とはすっかり変わってしまっていました。昔の少女の私を知っている人なんてどこにも居ません。そんな思いを胸にこの花を眺めました。

10/6/13

   

木苺に今は昔の話あり

ラズベリー(木苺)

わが庭では、今 ラズベリー(木苺)の真っ盛り。「木苺」という言葉に思い出すことがあります。
もう60年余り前のことですが、元城小学校の向かい側にちょっとした丘がありました。浜松城跡の城山だと思いますが、今は見当たりません。
放課後、そこに登って木苺を一杯口にしたことを思い出します。
そこに生えていた木苺と写真のラズベリーとはちょっと違うようですが、この甘酸っぱい実を口にすると、あの当時の生活と、いつも自由に遊べた懐かしい小学校時が甦ってくるのです。 

10/6/23

   

今様の百合とて香り忘れをり

すかし百合

すかし百合は品種改良によって作られた百合だそうで、最近、あちこちの庭に見られるようになりました。
不思議なことにこの百合は、本来の百合特有の芳香がほとんどありません。
どこかに忘れてきたようですね。   

10/6/17

   

紫陽花や色を尽くして咲いてをり

紫陽花(あじさい)

梅雨時の花はなんといっても紫陽花ですね。
曇り空の下、赤ちゃんの顔ほどの大きさに青く咲くこの額紫陽花。
ほかにもボールのように球状に咲くものや、紫、白、ピンクなど色もさまざま。
雨に濡れた紫陽花は艶があって、さらに素敵です。        

10/6/17


   

逃げもせず田に羽繕ふ通し鴨

通し鴨

わが家から百メートルほど離れた所に田があります。今は稲が育って青々としてきました。
その畦道を通るの大好きなのですが、ある日写真のような情景を目にしました。
この地を好み、一年中通して滞在する鴨です。
田の草を啄ばんでは羽繕いして休んでいました。写真の4羽は親子でしょうか?それとも兄弟でしょうか? 

10/6/22


   

薔薇の園残りの一花ありにけり

残りの薔薇

もう季節外れとは思ったのですが、近くのバラ園まで散歩しました。咲き残りの中から幻想的に咲くこの花を見つけました。
人生も残りの方が美しかったり、面白かったり、味があったり、とは思いませんか?

10/6/25