野平 美紗子(11回)
「私はデジカメを手に近所を散歩しながら俳句を作っています。」

※以前の作品はこちらから
 
 
   
山茱萸や花小さくとも黄金色
山茱萸や花小さくとも黄金色

山茱萸(さんしゅゆ) 

神社の一角に咲いていた山茱萸です。
中国・朝鮮半島から渡ってきた木とのこと。
黄金色の小さな花が枝先に光っていました。

 

2014/3/22

 


   
この一樹まるごと真白花李
この一樹まるごと真白花李

花李(はなすもも) 

彼岸の過ぎた頃、急に暖かくなった時、李が一晩で真っ白に開花しました。その見事さに驚きました。

 

2014/3/29

   
天界の母に見せたや花の雲
天界の母に見せたや花の雲

岩槻城址公園の桜 

この城址公園は、その昔太田道灌が築城したお城(白鶴城)があった所です。
岩槻はお雛様で有名な所ですが、今年はここへお花見に出かけました。
見事な桜を観て回るうち、母をここに連れてきてあげたかったという思いを深くしました。

2014/4/1

   
菜の花や彼方に揺らぐ新都心
菜の花や彼方に揺らぐ新都心

新都心 

荒川の広い河川敷を散歩しました。
野生のからし菜の花の向こうに見えるビル群は、政府の機能の一部が引っ越してきたことから「新都心」という名の付いた駅のある場所です。
それが陽炎のように揺らいで見えました。

2014/4/2

 

   
苔の溜めた雫びっしり春の朝
苔の溜めた雫びっしり春の朝

苔の雫(しずく) 

夜来の雨が上がって清々しい庭にでた時、紅葉の植木鉢の苔のこんな様子が目につきました。
春らしい朝の一場面です。

2014/4/4

  
誰が命瓦礫に赤きチューリップ
誰が命瓦礫に赤きチューリップ

チューリップ 

大震災後、三年余が経ちました。
庭に赤いチューリップが咲いたのを見た時、ラジオで聞いた体験談が思い出され、その話から想像して作った句です。

2014/4/5