第3回 茄子

茄子はインド原産で奈良時代遣唐使によってもたらされました。

  1. 富士 2、鷹 3、なすび といわれ なすは成す=成就という意味で尊びました。

当時茄子を食すことはステイタスであったようです。徳川家康は茄子が大好物で、駿府にいた頃は「折戸なす」を粕漬けにして食していたそうです。
現在茄子は300種程度ありますが、日常的に使っている茄子は「真黒茄子」「米茄子」「賀茂茄子」などです。
安土城で信長が家康を持て成した本膳料理の中の一品に「茄子の鴫(しぎ)焼き」があります。
茄子を筒状にくり抜き、中に鴫肉を詰めて焼いた料理です。私たちは今も鴫肉がなくてもフライパンで焼いただけでも茄子を焼くと「しぎ焼き」といっています。

* 心なき 身にもあはれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ (西行法師)

茄子のしぎ焼き
作り方
 
材料4人分
 
茄子
・・・
4本
 
サラダ油
・・・
大2
 
鶏ひき肉
・・・
100g
 
・・・
大2
 
みそたれ
・・・
大6(市販、八丁 イチビキ)
 
 
①小鍋にひき肉を入れ、酒を加えて箸でよくほぐしてから火にかけ、ほろほろになったら味噌を入れ混ぜてぽってりと火を通す。
②つやの良い普通サイズの茄子を求め、縦半分に切って皮側に浅い切り目を入れる。(皮までいただきたいので) 
③薄い塩水に入れてアク抜きをして水気をよく取る。
④フライパンに油を敷いて少し焦げ目がつく程度に両面焼く。
 
⑤焼き茄子の上に①の鶏みそを塗って、一口大に切って再び茄子の形に盛りつける。
賀茂茄子田楽
作り方
 
材料(4人分 )
 
賀茂なす
・・・
2個
 
揚げ油
   
 
調味した出汁
   
  練り味噌
・・・
西京味噌 100g
 
  砂糖 小2
      みりん 大 1/2
      酒 大1
      出汁 大1
      卵黄  1/2
  青柚子
・・・
少々
 

 

①茄子は両端を落とし横半分に切り皮は模様切りする。
②箸で裏側から穴を開けて油で揚げ油抜きして薄味のだしで煮る。
 
③天板にのせ練り味噌を塗って、上に少し焦げ色がつく程度焼く。ふり柚子をして温かいうちに勧める。
 

※昔から「秋なすび 嫁に食わすな」の言い伝えがあります。姑の意地悪なことばといわれていますが、夏に収穫する茄子は体を冷やす作用があるので、身ごもったりする嫁には食べさせない方がいいという嫁を気使ってのことばでしょう。

※秋なすび わささの粕に つきまぜて 嫁にはくれじ 棚におくとも  (夫木和歌抄)