第13回 節分

節分とは冬から春のかわり目、この夜は「豆まき」をします。この豆まきは「鬼やらい」と呼ばれる中国から伝わった追儺(ついな)の風習に由来するものです。遣唐使によってもたらされたこの風習は、疫病が流行した700年代、宮中の儀式として取り入れられ、しだいに庶民に伝わり、室町時代から行事化され、2月3日に大豆をまくようになりました。鬼は寒い冬、人々を悩ます風邪などの陰気や災難のことで、一年のしめくくりをする節分の夜に、この鬼を追い払う行事をするのです。
現在も神社や家庭で行われています。
作物が芽吹くこの春の節分はとても大切なので、鬼退治の呪(まじな)いをします。ヤイカガシ(焼嗅がし)といって鬼の嫌いな臭い鰯を焼いて棘(とげ)のある柊(ひいらぎ)の枝にさして戸口に張ったり、侵入防止にガラガラと音のする豆穀をつるしたりします。
一方、豆まきの豆は「福豆」といって節分の夜、年の数(かぞえ年)だけ食べます。新たな年に春の明るい陽気が訪れ、病気や災害に合うことなく幸せに暮らせるようにとの祈りが込められた年迎えの行事でもあります。

節分の頃は、鰯が子を持っておいしくなるので「どら焼」を作ってみましょう。

作り方
鰯の銅鑼(どら)焼き
 
材料(4人分)
真イワシ
・・・
4匹〜5匹(正味280g)
生姜
・・・

小1かけ

白ねぎ
・・・

1/2本

味噌
・・・

小2

小麦粉
・・・

大1

 油
・・・
大1
 酒
・・・
大1
 大根
・・・
200g
 醤油
・・・
適量

①鰯は頭と腹わたを取り、腹をきれいに洗い、水けをふいて中骨の両側にそって指を入れて骨を取り除く。背ビレも取る。
②更に水気をふいた身をまな板にのせ、ザクザクと切ってからトントンと細かく切る(フードプロセッサーなら簡単)。
③②の中におろし生姜とねぎのみじん切り、味噌、小麦粉を加えてよく練り混ぜ、4等分して丸め、平たくして銅鑼形にする。
④フライパンに油を入れ③を並べ入れて焦げ目を程よくつけて酒を少しふり入れ、蒸し焼きする。
⑤大根おろしの水けを適度に絞り、醤油を混ぜ、鰯の銅鑼焼きに添えて盛る。

 

~小話~
我が家では節分の夜に煎った大豆を桝に入れて神棚に供えます。
「鬼は外、鬼は外、福は内」と主人が大声を出して出入口や窓をあけ、暗くした部屋部屋を回って豆をまき、邪気を祓います。孫達も大喜びで、その後ろを付いて廻ります。その後で、家族は年齢に一つ足した数の豆を食べ、無病息災を祈ります。
次の朝は大変です。豆を拾い集め「きな粉」にしたり食卓に置いてポリポリ食べたりしています。

三年前の「ね」年に年女として、北区引佐町の井伊谷宮の拝殿の回廊で 福豆や沢山のお餅を投げて厄落としをさせていただいました。同窓の後輩、やはり「ね」年の殿方もご一緒で、近年まれな楽しい一日となりました。
幼い頃、近くの宿屋の広間で、近所の子供達と一緒に 豆や動物型のビスケットや小振りのみかん等を暗闇の中で拾った懐かしい思い出がありましたので、神主様からの依頼を喜んでお受けしたのでした。