第1回 金糸うり   第2回 その1 白うり   〃その2 鮎
第3回 茄子   第4回 松茸   第5回 その1 隠元と胡麻
〃その2 南瓜と小豆   第6回 ぶどう   第7回 鯖
第8回 普茶料理   第9回 さつま芋   第10回 蓮根
第11回 伝統のおせち   第12回 人日節句(じんじつせっく)   第13回 節分
第14回 建国記念の日   第15回 上巳の節句(桃の節句)   第16回 春分の日(春の彼岸)
第17回 お花見   第18回 花祭り(灌仏会)   第19回 端午の節句(こどもの日)
第20回 母の日   第21回 氷室の節句   第22回 父の日
第23回 七夕節句(星まつり)   第24回 祇園祭(祇園さん)   第25回 夏の土用
第26回 お盆   第27回 お月見   第28回 重陽の節句
第29回 体育の日   第30回 秋祭り   第31回 神立ちとえびす講
第32回 七五三   第33回 勤労感謝の日(新嘗祭)   第34回 大晦日からお正月まで
第35回 お正月   ★特別編   第36回 食卓談話「鶴のお話」
第37回 食卓談話「お茶のお話」   第38回 食卓談話「蛤のお話」   第39回 食卓談話「大根と春野菜のお話」
第40回 食卓談話「御馳走のお話」   第41回 食卓談話「節約のお話」   第42回 食卓談話「鶏卵と鶏」のお話」
第43回 食卓談話「旬と桃のお話   第44回 食卓談話「家康の好物のお話   第45回 食卓談話「二宮尊徳翁と澤庵
第46回 食卓談話「味噌汁のお話」   第47回 食卓談話「不老長寿のお話」   第48回 食卓談話「柿のお話」
第49回 食卓談話「酒のお話」   第50回 食卓談話「平常心    
※このコラムは静岡県立浜松北高同窓会女子部「しらはぎ会」のために書かれたものです。作者に無断での転載・転用は固くお断りします。

 

 
《昭和13年》
《現在》

鶏卵100グラム(約26匁)中に含まれるカロリー
             173カロリー

 

消化時間 100グラム
(約26匁)について

半熟  1時間半

生玉子 2時間半

玉子焼 2時間45分

茹玉子 3時間

ビタミンA・B・D     中等量

 
 

榮養量

東京市衛生試験所

全卵100g中に含まれるエネルギー       
158Kcal(キロカロリー)

 

消化時間 100g
       について

半熟  1時間半

生玉子 2時間半

玉子焼 2時間45分

茹玉子 3時間

堅茹玉子 3時間15分

ビタミン(特に)B2        0.48ミリグラム

鶏卵の蛋白質の消化吸収率      94.0%

栄養量

日本食品標準成分表

*カロリーとキロカロリー
昔は単にエネルギーの単位をカロリーと言いました。
カロリー単位は、栄養学、食品学などの分野では伝統的に大カロリー(Cal、1Cal=1000cal)が用いられてきましたが、『食品成分表』の改訂に伴い、昭和56年、国際的に使用されているキロカロリー(Kcal)に改められました。
現在は、食品のガイドブックなどでは キロカロリーと表示されています。
また、Cal から Kcal への移行が計量法で認められたのは1999年10月1日とのことです。

*カロリー
栄養計算において食材から得られるエネルギーを表す単位で、calと表記する。熱量ともいう。日本では一般的にcalの1000倍の単位に当たるKcalが使われる。1Kcalは1Kgの水を14.5℃から15.5℃まで1℃上げるのに必要なエネルギーである。国際機関などではジュール(joule 単位J)が使われているが、日本ではジュールは実務的には使われていない。

~私の感じること~
卵豆腐
カスタードプリン
だし巻き卵
シュークリーム

 戦前の料理本の中にすでにエネルギーや消化時間・栄養価などが表記されているのに驚いています。母が朝食に半熟卵やオムレツ・卵かけ御飯、お弁当には卵焼き、遠足には茹で卵を持たせてくれたのが、これを見て納得しました。遠足などで長時間体力を持続させるには、消化時間の長い堅ゆで卵が良いのですね。遠足の帰りに「イオウ」の臭いのするゲップが出たりしましたが、リンが多く含まれているからでしょうか。卵は水から18分、それ以上茹でると白身と黄身の間がグレーになります。

 ところで日本人は鶏卵をいつ頃から食べていたのでしょうか。一般的には江戸時代からといわれていますが、それ以前にも食べていたようです。日本画の田舎の風景にはしばしば鶏の絵が描かれています。幼い頃、母の里で庭におんどり(雄鳥)とめんどり(雌鳥)の番(つが)いが籠をかぶせられて飼われていました。そんな場面は現在も時代劇の映画やテレビで見ることができます。往時の鶏は刻(とき)を告げるための家畜で食用として飼われていたのではないようです。その後、野鳥などが減少するにつれて鶏肉も食用となり鶏卵も食べるようになりました。

 戦後の食糧難では各家庭で鶏小屋を作り5~10羽ぐらい飼って卵を産ませていました。母はめんどりに卵を抱かせ、ひよこが産まれると卵黄の裏ごしを食べさせて大きくしていました。鶏のエサは大根葉を刻んでフスマと混ぜて作ります。卵の殻が柔らかくなるとカキ殻をくだいてエサに混ぜて与えます。母が「やっと卵を産むようになった」と、喜んでいた矢先のある夜、野犬や野良猫におそわれて「コケッコッコー、コケッコッコー」と、大さわぎになりました。暑い盛りには「とや=鳥屋」といって卵を産まない時期もあります。そんな時、少しの卵は体の弱い子が食べることになっていました。私が「ちゃぼ」の番いを庭で放し飼いにしておりましたが、近くのアパートから「朝早くから鶏の鳴き声がやかましい」と、注意され断念しました。無風流なことです。

 卵は滋養に富み、消化も良いので戦前前後を通じて病人のお見舞に持って行くことになっていました。近年は大量生産で安定して供給され保存もよく、手頃な価格なので重宝に用いられています。

 卵料理は無数にあります。目玉焼き、卵豆腐、茶碗蒸し、だし巻き卵、プリン、シュークリームなど、変幻自在なのでむずかしい食材ともいえるものです。今回は代表的な卵料理の卵とだしの割合を表記します。

卵豆腐
1〈卵〉:1〈だし〉
茶碗蒸し
1〈卵〉:4〈だし〉
だし巻き卵
1〈卵〉:1/4〈だし〉
カスタード・プディング
1〈卵〉:2〈牛乳〉
カスタード・クリーム
2〈卵〉:1〈牛乳〉

 

 

茶碗蒸し

材料(6人分)

鶏肉(胸肉か笹身)

120g

大1
小1/5
かまぼこ 6cm
干し椎茸 3枚
戻し汁 1/3C
醤油 小1/2
銀杏 12個
三つ葉 6本
大3個
だし 3C
小1
醤油 小1
みりん 小1
茶碗蒸しの中身
① 鶏肉は一口大のそぎ切りにし、酒、塩して4~5分おく。
② かまぼこは1cm厚さの松葉切りにする。
③ 椎茸は戻して、石付きを取り、4つ切りして薄味で煮ておく。
④ 銀杏は塩ゆでしておく。三つ葉は3cm長さに切っておく。
⑤ 以上の具を茶碗に盛る。
⑥ 卵を割りほぐし、その分量の4倍の冷めた汁を調味して注ぎいれ、一旦こして茶碗に張り、上に浮くアクをすくい取り、蓋をする。
⑦ 湯気の上がった蒸し器に入れ、3~4分位中火、後は最小の火にして全体で15分蒸す。

 

備考:母は茶碗蒸しの度に「卵三つで5人前よ」と言って、よく溶いた卵を5等分に入れさせました。それから具を入れ、汁を張って、かき混ぜて蒸しました。途中で「蒸し器の蓋を少しずらせなさい。スが入らないようにね」と、言うのでした。昔の蒸し茶碗は今より大きめです。